2012年 07月 26日
エド・ディルへの道のりはまさしく修行の道だった
ここは、今までのような砂地ではあるけれど、比較的平坦な道のりではなく・・・
山の上まで約900段もの階段道が続いているのです。
この道は、登り始めてすぐのところ。矢印のところまで登り続け、更にまだまだ続くのです。こちらの写真は、同じツアーに一人で参加していたM山さんから頂いたものです。私は階段でもう余裕がなかったのでねぇ~
暑さに弱く、何よりも苦手とする登り道。正直言って、行くのは止めようかとも思いました。でも・・・おそらく私はもう二度とここに来ることはない、だったらチャレンジくらいしてもいいのでは?って思い直したのです。
エド・ディルまで登って写真を撮ってから、同じ道を降りてきて、レストラン前を出口に向かうまで、制限時間は2時間半近くありました。2時半までにレストランを出ないと、疲れているのでゆっくりと休み休み歩いたら最終集合場所のバスに4時半までには間に合わないからです。登りは他人よりも遥かに時間がかかっても、早めに下り始めればなんとかなるはず。下りならば登りよりは労力が半分くらいで済むので、なんとかなるんじゃぁないかと・・・
ガイドブックなどによると登りに約1時間の徒歩とありました。そして、ロバならば20分との魅惑的な手段もあったのです。しかし・・・添乗員さんも現地ガイドさんも「危険が多いのでロバは勧めない」とのことで・・・また登った人たちの誰一人として「ロバで行きます」という声も無く(皆さん、ホントに偉い!!)・・・。途中ベドウィンから「(ヒマなので)5US$で上まで乗せるよ」という魅惑的な話も振り切り・・・
足元はところどころ砂地で・・・ただでさえ暑いのに照り返しも凄く・・・砂地であるがために足元が取られ体力の消耗度は増すばかり・・・
登っても登っても先が見えず・・・
途中振り返ると、物凄い岩山の間を登って来たのが判ります(緑の線が上り下りのルートの階段)
どこが階段だか岩山だか判らないようなところを登るのです。
この写真は同じくM山さんから頂いたのですが、階段がはっきりあるところです。でも上のほうに行っちゃうと、もうこれほどちゃんとした階段ではなくなるんです。
見下ろすと遥か向こうに王家の墓が見え・・・その手前に朝のうちに歩いてきただろう道(青線部分)があるはず・・・
もうちょっとズームにした写真がコチラ。遠い!
それでも30分近く頑張ったかなぁ?(←疲れ果てて時間の感覚無し。時計見る気力も無し)足が段々上がらなくなり、クラクラして来ました。何度もロバに乗ろうかと考えながらも頑張って登ってきたのですが、このままだと帰りもおぼつかなくなると思い、上から降りてきた最初の乗り物、馬に乗ることにしたのです。情けないことに、疲れ果てていたので馬に乗るのさえ足がロクに上がらず・・・踏み台に出来るような岩を使って馬に跨ったのでした。
もう万が一、馬から落ちても自己責任でいいやと・・・。でも、乗せている馬のほうも足を踏み外したら自分の命さえ危なくなるので頑張るはず。だったら私は何が何でも鞍にしがみついていなければって思って乗っていました。途中かなりの急勾配の階段も、馬に協力して前傾姿勢を取り続け・・・3分の1程は馬で進むことが出来ました。
ところが、途中、ちょっと道幅が広く売店があるところまでやって来たら「馬はここまでしか行けないから降りろ」と言われ降ろされちゃいました。残りがどのくらいあるかは見当がつかないけど、行けないなら仕方ない、それでも充分に提示額の10US$以上の価値があったと私には思えたのです。
その後、また意を決して登り始めたのですが、ともかく暑い。岩山で先が見えないくせに日陰が無いのです。ともかく体力を回復させるためにどこか日陰で休みたいと思い、ようやく日陰になっている階段部分を見つけ、そこで暫く休んでいました。同じツアーの人たちは、歩きでも私より遥かに先に登って行き・・・最後尾の添乗員さんまで上がって来たのですが、時間的にまだ余裕があるので、もう暫く休んでいました。
降りてくる外人さん達に声をかけると「あと3分くらいだよ」って人が殆どで・・・でもその3分さえ辛い状態で・・・どうにかこうにか落ち着いてきたので、また最後の気力と体力を振り絞って登り詰めました。
登り詰めると、目の前にパッと開けたところが見え、その先には休憩所が見えました。開けたところに立っている人たちはみな矢印の方向を見ていたので、そちらにエド・ディルがあるとすぐに判りました。
そして、ついにエド・ディルの姿を目にすることが出来ました。脇から覗き込むような感じなのですが・・・
こちらは、休憩所からの眺め。
持って来た水2本(各500ml)は、既に飲み干していたので、ここで新たに冷たい水を買い、ほぼ半分まで一気に飲み干してしまいました。残りは帰り道用に・・・
休憩所で眺めると、エル・ハズネよりもシンプルな作りだと思いました。でも大きさは遥かに大きいです。なんでこんな岩山の上に・・・修道士はやはり並大抵の神経と体力の持ち主でなければなれないものなんですね。
最後に、この写真を撮って、先に登っている皆さんよりも先に降り始めました。
登りは途中馬の力を借りたけど、帰りの下りは自分の足で歩いて降りようと決めたのです。更に、急勾配なので、馬やロバに乗るのは登りよりも危険が大きかったのです。
疲れた足をなんとか動かして、ひたすら階段を降り続けました。周りさえ見渡す余裕なんて殆どありません。足元も不確かなのに、疲れてよろよろしていたので、踏み外したり滑ったりしないように気をつけているので、目一杯でした。ともかく少しでも早く降りて、お昼を食べたレストラン前の木陰で休んで、体力の回復を図ろう、ただそればかり考えていました。
と言う修行のような道のりを歩いていたので、下りの写真は余りありません。撮ったのは下りで休憩しながらですね。登りのときなんて1枚もありませんでした(^^;
半分残っていた水も飲み干し、下のレストランで買った水とコーラを飲んで、生き返ったような心地がしました。
暫く休んだ後、出口までの5kmほどの緩い登り道を歩くべく、立ち上がりました。
~~~~~続く~~~~~
素晴らしい写真!感動です。
そして読むだけで手に汗握りました・・・お疲れ様でした。
これまたスケールの大きな遺跡で、人がミニチュアみたい。
それにしても、太陽に反射した岩肌は凄く綺麗だね。これを人力で作った古代人には舌を巻くわ(@。@)
楽しんでもらえているのならば良かったです。なんせ自己満足も入ってるので~(笑)ともかく疲れましたわ~
そうなの、人間ってこんなに小さいのに、こんなに凄いことが出来るんだよね。