まさに驚き!

上野の藝大美術館で開催中の「驚きの明治工藝」展に行って来ました。
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普段だと、比較的空いている夜の時間帯に行くのですが、ここは5時閉館ですので、土日に行かないとってことで、10時ちょっと過ぎに到着しましたが・・・結構沢山の人が来ていました。

そして、この展示は、いくつかを除いて、「写真撮影OK」なのです。
天気がイマイチでしたので、道中結構歩くので、大きいほうのカメラを持って行くのは面倒だなぁ~って思って、防水タイプの小さいデジカメを持って行きましたが・・・失敗しましたね~(^^;
ガラス越しの撮影だから、ちゃんとしたのを持って行けばよかったです。。。
後の祭りですが・・・。

お目当ては、なんといっても「自在置物」かなぁ?説明はリンク貼っておきましたので、見てみてくださいね。まぁ、早いところが、おもちゃの芸術作品バージョンってところですかねぇ。眺めて楽しみ、動かして楽しむものですからね(笑)

入ってすぐのところに、お目当ての龍の自在が・・・
宋義作、3mあります。影までカッコいいです。
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天井にも影が・・・
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お顔の正面から・・・
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後ろ足の下あたりから・・・足の爪に力がこもっているのまで判りますね!
これを作らせた人は、どんなふうに飾って眺めたのかしら?
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こちらは、銀製の薬缶(やかん)、海野珉乗作。犬の絵が彫ってあります。犬のお尻が何とも言えず可愛い。
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七宝の文箱ですが、ミニチュアで、7cmちょっと。これは、作者が不明なんです。でも、作者が不明でも、いい仕事をしたからこそ、今の時代まで残ったんです。
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兎文鉢、宮川香山。可愛らしいウサギです。耳が仄かに赤いのが何とも言えずいい色です。
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留蝉蓮葉水盤、同じく宮川香山。蓮の葉は青磁で、なるほど~ってところに、リアルな蝉が・・・
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米原雲海の「無限琴」だったかな?琴を弾く手の動きが素晴らしいです。
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秋草鶏図花瓶、涛川惣助作。これは、1対の花瓶でしたが、雌鶏とひよこの方が可愛らしくて・・・。雌鶏がひよこを見つめる視線が、親らしい感じがこもっています。
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台子飾皆具のうちから、水指。七宝です。林谷五郎作。この皆具は、獅子や鳳凰などお目出度い神獣ばかりでしたが、それよりも目についたのが、この水指の耳の部分。白蛇かな?(勾玉じゃないとは思うんですよね・・・)
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一見、なんでもない普通の竹に見える「竹塗煙管筒」橋本市蔵作。煙管を入れておく筒なんですが、これ、実は、元は紙で、それに漆をかけたものなんだそうです。解説読まなかったら、まさかそんな素材から出来ているなんて思いもしませんが。竹そのものですよ、これ。
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自在カマキリ、好山作。リアルですね~。自在だから、あちこち動かせるので、実際にいじってみると楽しいだろうなぁ。
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自在鯱、無銘の作者です。鯱鉾の鯱って、顔なんて普段は見れませんのでね。じっくり見てきましたけど、ひょうきんな顔ですね。
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自在龍、同じく無銘の作者。この龍は、尾が剣を握っているんですよね。
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尾の部分のアップ。やっぱり日本では(っていうか東洋では)、龍は神の使いなんですよね。そこが、西洋とは違うところでもありますね。
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顔も凛々しいです。首とかも、自由自在に動かせらるので、色んな角度に曲げて楽しめます。
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自在鷹。明治時代のもので板尾新次郎作。羽を広げたり、閉じたり出来、首の角度も変えられます。眼が鋭いですね~
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自在鯉、宗一作。これは、大きな鯉でした。48cmもあります。魚の自在は、背びれや胸びれが動かせます。これは頭も少し角度を変えられるみたいです。口元のヒゲがリアルですね。
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瓦上の雀置物、好山作。リアルで可愛らしい雀。最近は雀も住宅難だそうですね。屋根瓦の造りの家が減って来たから、だそうですけど、我が家の近所にはまだまだ沢山居ます。
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鳳凰、好山作。
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春日 竹に蜥蜴、宮本理三郎作。いや~、蜥蜴がリアル。ホントに木なの?って感じ。
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柄杓蛙、同じく宮本理三郎作。柄杓の竹に見える部分も木。カエルも可愛らしくてリアル。
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狸置物、大島如雲作。これは、銅の鋳造です。すべての角度から見るに耐えられるように、一部の隙もありません。本来ならば、置物ですので、置いてしまうと判らない裏側と言うか、底辺になる部分まで。だから、展示方法も、透明なケースの上に置き、下が見られるように鏡が置いてあります。
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鏡の部分をアップで。足の裏の肉球までリアルに。しっぽの毛もふさふさとしていて、そのふさふさが床に置かれることによって潰されている感じもよく判ります。
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上の写真で肉球が見えていた足は、服の下から見えている後ろ足だと思われます。
この狸さん、妙に色気がありましたよ~。
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厳島神社鳥居図壁掛、無銘の作者です。これは、天鵞絨(ビロード)友禅。表面が毛羽立つビロードには、友禅染を施すのは困難だったのを、明治時代に京都の西村惣左衛門によって、この技法が創始されたそうです。神秘的で厳かな雰囲気が出ていますよね。一見絵のようですが、織物+染物です。
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三猿根付、小林盛良作。金です。根付はコレクターが居るほど人気の細工物ですが、これはユーモラスです。
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鷺、無銘の作者。なんと、これは竹。白鷺の写真を何度か撮っていますが、ホントにリアルだなぁと・・・。
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いやぁ~ホントに驚きの連続でした。ともかく、一部の隙もない作品ばかりです。
どれも、息を詰めて見てしまいました。

江戸時代末期から明治にかけては、ほんとに凄い技が編み出されたり、凄い工藝が世の中の日の目を見た時期なんだなぁと。江戸から明治に時代が移ったために、将軍家や大名の後ろ盾を失った工人達は、新たな制作に打ち込まねばならなかったと、以前テレビの美術番組で見ました。外国への輸出政策によって、それらは外国にもたらされ、更に万博などの博覧会出品により、絶賛され多くの逸品が国外に流出してしまいました。

こうやって残っているものを見れてホントに幸せでした。日本って凄いな~。

Commented by オリーブ at 2016-10-02 17:26 x
動物モチーフアートだから見に行ってみたいです
Commented by mydreams_andy at 2016-10-07 22:33
>オリーブさん
ともかく行ってみてください。凄いですから!
by mydreams_andy | 2016-10-01 21:36 | 日本 | Comments(2)