待ちに待った完全版

学生時代からの愛読書「アンジェリク」が、完全版として戻ってくることになりました。
来年2月末には第1巻めが手元に届いていることと思います。
復刊ドットコムからで、まずは、第1巻と第2巻の発売です。

なんとも嬉しい限りですが、最後の1巻が出るまでは、完全には安心できません。どうか、最後まで翻訳・出版され、そして無事に全巻読み終えることが出来るようにただただ祈るばかりです。

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2007年に原作者からの版権を得て完全版が出るとの発表があり、2008年に頓挫、その後は完全版の発売はほぼ諦めていましたが、なんとか始めの一歩が踏み出されたようです。

2007年の際にも、かつて新潮社から出版された新装版は26巻あり、半年に1冊の割合でも13年はかかる見込みで、その間に大きな災害などが起きなければいいなぁと、その時点で思っていました。そして、再販は一度白紙状態になり、そうこうしているうちに、3.11の大震災が発生。幸いなことに出版元のある東京は無事だったので、水面下で進んでいた計画もなんとか中断することなく済んだようですが・・・。

辛口のコメントばかり書いていますが、ホントに長い長い間、熱い熱い思いを抱いて待っていたものですから、それだけ前回の頓挫は失望が半端じゃなかったのです。
それだけに今回のことは嬉しい限りですが、本当の「宿題完了」は、全巻出版後に言えると私は思っています。


以下は長いですが、私と「アンジェリク」の出会いから今に至るまでの話です。

私とアンジェリクの出会いは、高校生の時で友人から借りた漫画からでした。
子供の頃初めて読んだ漫画が「ベルばら」の終わりの頃で、それ以来、フランスのあの時代物ってなんとなく興味があったのです。(アンジェリクの時代はベルばらよりもはるかに前ですが)

読み終わって、すぐに自分用に購入。そして、「原作がある」ことに気がついたのです。漫画を借りて読んだときには気がつかなかったのですが、これもやはり縁があったということなのでしょうか?

そして…偶然にも地元駅ビル内にあって殆ど毎日通っていた本屋さんにアンジェリクを発見しました。漫画の棚から4~5つ横に移動した辺りに海外文学のコーナーがあってそこにアンジェリクのシリーズ(既に新装版でした)がずらりと揃っていたのです。買う前にもう一度、売り物だった漫画のアンジェリクを見て原作者名をチェック。間違いないと判った時点で、まず1巻目を買った記憶があります。

そして、その後は次から次へとむさぼるように読みました。当時、通学にバスと電車を使って1時間半ほどかかっていたのですが、電車に乗っている間はアンジェリクを読みっぱなしでした。それまでは睡眠時間だった通学時間が、読書の時間になり…当然のことながら睡眠不足。その分授業中に寝ていましたけどね(苦笑)当時は「謀略の影法師」上下までは出ていたのでそこまでは一気に読み終わりました。幸いなことに、私は推薦が通ったので受験はしないで済んだ為、読書の時間だけはタップリありましたのでね。

「お祭り騒ぎを始めよう!」って言う19巻最後のアンジェリクの夫ジョフレの台詞の後の続きが読みたくて読みたくて、その後は、もしかしたら都心の本屋さんならば出ているのが置いてあるのかもしれないと思ったりして、銀座の老舗本屋さんに月に何度も通ったりもしていました。

と言うのは、地元駅の本屋さんでは、私が全巻買い占めてしまった後は補充をしなかったのです。きっとそこの仕入れの担当者が変わってしまったからかも しれません。

そして…ある時偶然にも銀座の老舗本屋さんで20巻「氷の都ケベック」が置いてあるのを見つけました。その時の嬉しさは、言葉に表せないくらいでした。「通っていて良かった」としみじみ思った瞬間でした。

「選び出したのはコバルトブルーのドレスだった」待ちに待ったお祭り騒ぎの続きでした。

以来、26巻目が出るまで、銀座の通い続け…発売と同時に即購入って感じでしたが、間が空いていたので、それはそれは次が待ち遠しかったです。
短大時代に、第二外国語でフランス語もあったのですが、英語の発音もイマイチ苦手だったため発音の難しいフランス語なんて(まして外人の講師だった)
とんでもないことだと諦めてしまいました。今から思えば、なんて愚かな選択だったのでしょう(笑)


その後、アンジェリクは何度も何度も、もう何十回と読み返していますが、私の中には、潜在意識として入り込んでいるものもあったようです。2005年に、2度目のベネツィアのカーニバルに行った際には金色のドレスを選んだくらいですから。

数年前、自宅の目の前で火事がありました。その際、万が一飛び火してきたら逃げ出さなければならないと思い、身の回りの貴重品をまとめていたのですが、「アンジェリク」全26巻もまとめて袋に入れて万が一の際にも持ち出せるようにとしていたくらい、私にとっては大事な大事なものでもあるのです。

あとは私が全巻読み終えるまでは、生きながらえればいいなぁと思っています。



まだ読んだことのない人も多いと思いますが、もし・・・興味があったら是非とも読まれることをオススメします。
by mydreams_andy | 2011-12-21 00:11 | Angelique | Comments(0)